プライベート

  • 2004年5月3・4日 仙台
  • 「行列の仙台」

【牛たん万歳!】

せっかくの休みなので、1日くらいどこかへ行こうかな…ということで
仙台行きを決めた。仙台へはまだ行ったことがない。
8時起床。生憎の雨。
上野駅はあまり馴染みのある駅ではないけれど、何だかヨーロッパの駅みたいで
ワクワクする。
なので、おやつもミニプラでヨーロッパものを購入。

「行列の仙台」  「行列の仙台」

オランダ・ドイツ・フランス産。ヨーロッパ一人旅を思い出すなあ。
電車に乗る前は必ず、駅売店でチョコを買ったものだ。
子供の頃、遠足のおやつは300円までだったけれど、本日のおやつは
1300円也。大人になるって、素晴らしい!
普段、山陽新幹線に乗ることがほとんどなので、見慣れない風景に
旅行気分が一層盛り上がる。

仙台は晴れていた。
駅構内に立ち並ぶ「牛たん横町」を覗いてみたら、もンのすごい行列だった。
1軒1軒のお店が狭いので無理もない。あんな狭い中で食事をしたら、息が
詰まりそうだ…と、市街に出ることに。
ガイドブックで目星をつけていた『利休』(東口店)に向かう。
12時前という時間もあってか、『利休』前も列を成していた。

「行列の仙台」

それでもランチ定食は回転がよく、30分ほどで入ることができた。
カウンター席に座るなり、目はまん丸、口はあんぐり!
店主が網の上で焼いている肉…そ、それはもしや…牛たんですか?…と
聞きたくなるほど、分厚いのだ。
知らなかった。薄っぺらい牛たんしか、見たことないんだもの〜。
細身だけど、しっかり鍛えられていそうな身体つきの店主は、ただ黙々と
牛たんを焼いている。その手つきたるや、お見事である。
焼いている姿が、また妙にカッコイイ。あんまり素敵なので、その横顔に
じいっと見とれてしまった。

私はヘルシー定食を頼んだ。普通の定食より、肉の量は減るけれど
ミニサラダととろろが付いてくる。それプラス、テールスープと
麦めしと、漬け物。これが、一般的なセットらしい。

「行列の仙台」

あのね…『利休』の牛たんは、本当に絶品だったの。
焼き加減も味つけも、おまけに行き届いたサービス…何もかもが
最高だった。牛たんは、もともと好物だったのだけど、こんなに
おいしい牛たんが世の中にあるなんて、知らなかった。
実にジューシー。

結局、すっかり牛たんに魅せられて、2日間の滞在で3軒の牛たん屋に
足を運んでみた。全部、ガイドブックに載ってる有名店ばかり。
でもね、『利休』ほどのときめきは他店では味わえなかったんだな、残念ながら。
『利休』の他の支店に行ってみてないから、何とも言えないけど、少なくとも
東口店では大興奮だった。
もし、初回が他店だったなら、滞在中に3度も牛たんを食べに行かなかったと思う。
ましてお土産なんて、絶対買わなかったと思う。
その日の夜、勾当台公園付近にある、とある有名店に行ったけど
ここへは、二度行こうって気にならないなあ。
生まれて初めて、食事の為に2時間半も並んだ。まあ、これは
並びたくて並んだんだから仕方ないんだけど、冷え込む夜の仙台で
ガタガタ震えながら待っている、何十人もの客の横を通っても、ひとことも
声をかけない店長殿。『利休』とは段違い。
殿様商売に慣れてしまってるんだろうなあ。
トロ牛たん寿司も牛たんも、まあ…普通かな…。
ただ、この店の「豆乳カクテル」はオススメ!
豆乳と冷酒を使った食前酒。

それはさておき、『利休』で大満足した後は松島に向かった。

 

【松島や…】

「行列の仙台」

JRで本塩釜まで行き、そこからは遊覧船で松島へ。
船上で、ウミネコに餌をあげるのが名物になっているそう。
仙台に住んでいた人に「船で、それようにえびせんを売ってるけど
どこかでパンを買っていくのがおススメ」と助言されていたので、
予め、食パンを1斤(105円)入手していた。準備万端だ。
港で船を待っていたら、大層立派なのが入ってきた。
「趣味悪〜」と思っていたら、これから自分が乗る予定の船だった。
6種類も船があるのに、よりによってコレ!?

「行列の仙台」

その名も「龍鵬」!

ギリギリに走ってきたドイツ人たちを乗せて、いざ出港。

初めはガイド案内に従って、小さな島の名前をいちいち確認していたけど
早々に切り上げて、デッキへと向かう。風が冷たい。
しばらくすると、どこからともなくウミネコたちが寄ってくる。
乗客が一斉に、えびせんをバラ蒔き始めた。私もパンをちぎって、投げてみる。
海に落ちたパン目がけて、「ミャ〜」と鳴きながらウミネコたちが群がる。
群れはたちまち膨れ上がった。

「行列の仙台」

このままではきっと、ウミネコは増える一方だろうな。
もしも、ヒッチコックの「鳥」みたいなことになったら、松島の人たちは
どうするんだろう…と心配はするものの、おもしろくてやめられない。
鳶までやってくる始末。
そうこうしているうちに松島の海岸に到着。
他の遊覧船に乗り組む乗客たちが、笑いながら我らが「龍鵬」を見ている。
ちょっとばかり恥ずかしかった。

着いてすぐ「瑞厳寺」に向かう。途中でずんだ餅を購入。

「行列の仙台」  「行列の仙台」

美しい景色にも映える(!?)ずんだ餅。

門をくぐると両脇に梅の木が厳かに佇んでいた。
臥龍梅(白・紅)

「行列の仙台」  「行列の仙台」

臥龍八つ房の梅で、幹の周囲2.3m、高さ8m、東西19m、南北14mに及ぶ。
樹齢約400年。宮城県指定天然記念物。
梅の花はすっかり終わってしまっているけれど、裏山から終わりかけの
桜の花びらが静かに舞い落ちてくる様が、桃山時代にタイムスリップさせて
くれるよう…。
「瑞厳寺」は、伊達家菩提寺であり、政宗の位牌もここに安置されている。
絢爛豪華できらびやか〜なお寺。

「行列の仙台」

五大堂と福浦島にも行ってみたが、潮風が身に堪える。

「行列の仙台」

そろそろ足も棒のようだし、マフラーを巻いても冷える一方だし…で
仙台市内に戻ることに決めた。
帰りは松島海岸駅から電車。ここいらの電車は、全部手動でドアを開ける
ようになっている。冷たい冬の風を少しでも防ごう、という東北の知恵かな。
(八高線もこうだった気がする)

夜は地下鉄を利用して前述の夕食へ。
仙台の地下鉄構内には、「シェルブールの雨傘」や「フレンチポップス」が
流れていた。
牛たんを食べて帰ったのは夜中。
疲労から、意識も朦朧…早々に気を失った初日であった。
その夜、夢に松嶋菜々子嬢が出てきた。我ながら単純で恥ずかしい。

 

【青葉城跡】

朝曇っていたのに、お昼前には青空が広がり出した。
まずは青葉城へ。
駅前バス乗り場から「るーぷる仙台」という循環(?)バスが出ているらしい。
乗り場を見つけて嬉しくて走ったものの、現場で「げ!」と立ち止まってしまった。

「行列の仙台」

長蛇の列である。

つくづく、仙台は行列のできる街だ…と思ったけれど、GWだからなのかな。
他のバスも1時間待ちだったので、さっさと諦めてタクシーを利用。
広瀬川辺りに広がる緑が目に眩しい。歩いたら気持ちいいだろうね。
思っていたよりもずっとロマンティックな川。

「行列の仙台」  「行列の仙台」

城跡で伊達政宗像と、仙台市街を眺める。
心はすでに昼の「牛たん」。

ガイドブックに載っている老舗を目指したら、またもや大行列。
仙台歩けば行列に当たる…ってなもんだ。

「行列の仙台」

70人近い人が並んでた。少々ゲンナリ。
通りを挟んで、店の向かいのビルに並んでいたのだが、道行く人々の
驚きの表情が可笑しかった。

土産物コーナーで、たらふく笹かまを試食させてもらい、牛たんと白松がモナカと
ずんだ餅を購入して、その上、大好きな二階建て新幹線「MAXやまびこ」に 乗って帰京。

「行列の仙台」

夕食は仙台駅で購入していた「炭火焼き・牛たん弁当」。
これはハマりそう!『利休』に次いで、大満足。
まあ、何をしに行ったか…と言えば、ただ単に「牛たん」を食べに行っただけの
仙台旅行でございましたわね。
「牛たんや…ああ牛たんや…牛たんや…」

「行列の仙台」

おまけ(仙台で見つけたami)